「ポータブルWi-Fi」レビュー
25/03/2022
iPadで定番の手書きノートアプリ「GoodNotes 5」をご存知でしょうか。手書きというアナログな行為とデジタルならではの強みを両方活かせる便利ツールとして定評がありますが、その魅力はiPadだけにとどまりません。Mac版もリリースされており、マルチデバイスで活用できる最強のノートアプリになっているのです。
iPadで定番のGoodNotes 5は、Mac版もリリースされています。iPad版とMac版を連携して使うことで、アプリの存在価値はさらに高まります本記事執筆現在、iPadでApp Storeを開くと「トップ有料App」の1位にGoodNotes 5がランクインしています。このアプリがiPadの超定番であることは、もはや疑う余地がありません。
Mac版について紹介する前に、まずはiPad版のGoodNotes 5が支持されている理由を簡単に説明します。お気に入りのポイントは人によって違うと思いますが、筆者は次の4つのポイントを押したいと思います。
GoodNotesのインターフェイスは至ってシンプルです。たとえば、ツールバーに表示されるペンの太さは3種類。変更しようと思えば太さを微調整することも可能なのですが、あえて細/中/太の3種類に表示を絞ることでワンタップで素早くペンを切り替えられるようになっています。こうしたちょっとした工夫によって、思考を妨げない直感的な使い勝手を実現しています。
iPad版アプリのインターフェイス。画面上部に直感的なツール群が並びます書いた図形を簡単に移動したり、拡大/縮小したり、コピー&ペーストで増やしたり。紙への手書きでは実現できない「デジタルならではのメリット」が満載です。雑に書いた図形をキレイな四角形や楕円に自動的に変換してくれるのもうれしいポイントです。
手書きでは書けないキレイな直線や図形を描いたり、描いたものをコピー&ペーストで複製できたりするのはデジタルならではのメリットです既存のPDFファイルを読み込んで、ノートに追加することができます。たとえば会議の前にPDFで資料が配布された場合、それをGoodNotes 5に読み込ませて、PDFの上から手書きで文字を書き込むといった使い方が可能です。
PDFをプリントアウトして紙に書き込むと、あとで書類が行方不明になったりすることがありますが、デジタルならその心配がありません。また、ファイルを読み込む以外にも、GoodNotes 5から直接カメラで紙資料を撮影し、それを読み込む機能も備えています。
配布されたPDFなどの資料をアプリに読み込ませ、上から書き込んでいくことができます紙資料なども、[スキャン書類]を選んでからiPadのカメラを使って読み取ることができます。デジタル化すれば紛失の心配もいりません手書きの文字を認識して検索することができます。もちろん、正しく認識されるためにはある程度丁寧に書く必要がありますが、案件名や取引先の企業名など、あとで検索しそうなキーワードを丁寧に書いておくだけでも検索性が上がります。また、読み込ませたPDFの中にある文字列も検索できるのがすごいところです。
ノートの検索機能は手書き文字、入力したテキスト、読み込んだPDF内のテキストなどがすべて検索対象になりますそのほか、万年筆やボールペンなどの多彩な手書き入力のバリエーションがあったり、WordやPowerPointなどの書類を読み込めたり、プレゼンテーションモードが用意されていたりと、GoodNotes 5の良いところはまだまだあります。980円の有料アプリですが、iPadを積極的に活用したいと考える人にとっては、十分に価値のある選択だと思います。
さて、ここからはMac版のGoodNotes 5について深掘りしていきます。まず前提として、GoodNotes 5は「ユニバーサル購入」という仕組みを採用しています。
先ほど「980円の有料アプリ」と書きましたが、これはiPhone/iPad/Mac版のすべてで使用できるライセンスとなります。つまり、iPad上でGoodNotes 5を購入した人は、追加費用を支払わなくてもMac版が利用できるというわけです。Macユーザーなら、活用しない手はありません。
では、Macとの連携を行なうと、何が便利なのでしょうか。
1つは、iPadで書いたものをMac上で確認できるということです。たとえば、会議や打ち合わせのときにiPadのGoodNotes 5でメモをとり、Mac上でそれを見ながら書類をまとめるといったことができます。
iPad版とMac版は、機能もユーザーインターフェイスもほとんど同一ですが、Mac版はウインドウの左側にページサムネイルエリアが表示されるという違いがあります。サムネイルが常に表示されるので目当てのページをすぐに見つけ出し、切り替えることができます。
Mac版インターフェイス。ウインドウ左側にサムネイルが表示されている点が大きな違い。それ以外はほとんどiPad版と共通です2つ目は、手書きの要素を活かしながら、ノートの内容を再編集していけるということです。たとえば、打ち合わせ時に書いたメモをお客さんと共有したくなったとき、読みづらい手書き文字をテキストで入力し直したり、打ち合わせで伝えきれなかった情報を付け足したりといった作業を行なうことができます。
こうした追加・編集作業はiPadでもできますが、たくさんの文字を追加入力したり、Mac上の画像ファイルを挿入したりといった作業をするなら、Macのほうが効率的に行なえます。
手書きの文字をテキストで入力し直してノートをブラッシュアップ! 文字入力はiPadでもできますが、Macのほうが素早く行なえますまた、Mac内の画像などを挿入してノートの完成度を高めることもできます。手書きのノートをベースに、提案書や企画書のレベルまで高めることができますGoodNotes 5はとかく「手書き」に注目が集まりますが、テキストメモを中心とした使い方にも十分役立ちます。たとえばMac上で調べ物をしているとき、覚えておきたいフレーズや参考サイトのURL、画像などをGoodNote 5にどんどん保存していくことができます。iPadとの連携にこだわらず、Mac上だけで使っても頼りになる存在なのです。
情報のストックにもGoodNotes 5は使えます。調べ物や備忘録など、用途を限定せずに活用してみましょうGoodNotes 5は、複数の「ノート」を作成できます。取引先ごとやプロジェクトごと、あるいはプライベートとビジネスで分けるなど、用途ごとにノートを分けていくのがいいと思いますまた、GoodNotes 5は、OS標準の「メモ」アプリと違って、用紙の好きな位置に要素を配置することができるのも良い点です。GoodNotes 5上で考えを整理したい場合、関係性の近いトピックは近くに置き、キーワード同士を線でつないだりすることで、自分の思考が可視化されていきます。
このようにGoodNotes 5は単に情報をストックしておくだけでなく、情報を整理したり考えをまとめたりするときにも役立ちます。ビジネス用途でもプライベート用途でも、あらゆるユーザーにおすすめしたい一本です。
自分のアイデアをまとめるための「一人ブレスト」にも活用できます。思いついたことをどんどん書き出していくことで、そこから新しいアイデアが閃くこともあります