アップル、新型MacBook Proのノッチを「使えるスペースを増やすスマートな方法」と説明

アップル、新型MacBook Proのノッチを「使えるスペースを増やすスマートな方法」と説明

先週発表された新型MacBook Proでは、近年のiPhoneのようなノッチ(画面上部の切り欠き)搭載されて驚きを呼びました。これに対しては一部のSNSユーザーなどから批判の声が上がっていますが、アップル社員は、ノッチによりユーザーが利用できるスペースを増やせる「スマートな方法」を提供できたと語っています。

これを語っているのは、Mac製品ラインのマネージャーであり、先週の「パワー全開」イベントにも出演していたShruti Haldea氏です。Shruti Haldea氏はポッドキャスト「Same Brain」でのインタビューにて、ノッチはmacOSのメニューバーを邪魔にならないようにしてコンテンツを置くスペースを提供するものであり、Macにとって「スマート」なソリューションだと述べています。

Haldea氏いわく、新MacBook Proでの変更は「ディスプレイの背を高くする」ことでした。たとえば旧16インチのMacBook Proではアスペクト比16:10でしたが、そこからディスプレイを大きくしてメニューバーを「邪魔にならないように、上に移動させた」とのこと。これは「コンテンツのためのスペースを確保するための実にスマートな方法です」としつつ、「フルスクリーンモードでは、16対10のウィンドウが表示され、とても見栄えがします」と語っています。

16インチモデルを例に取れば、旧モデルの解像度は3072x1920に対して、新型は3456x2234。そのうち新型の縦方向から74ピクセル分を差し引くと3456×2160となり、アスペクト比が16:10に維持されることは、macOS Montereyベータ版から発見されたデータでも指摘されていました。つまりmacOSメニューを上のノッチに追いやって、その下にあるメイン画面はフルに使えるというわけです。


 アップル、新型MacBook Proのノッチを「使えるスペースを増やすスマートな方法」と説明

これまでのMacBook Proデザインと比較すると、新型14インチと16インチはベゼルが大幅に縮小されています。アップルによると、ディスプレイの左右のベゼルは前世代よりも24%薄く、わずか3.5mm。そしてノッチのある上部分はベゼルが60%薄くなり、3.5mmとなっています。

ノッチは最初こそ目立つものの、アップルはそれを隠すような配慮をしているとの公式マーケティング資料も報告されています。ダークモードにすれば画面の黒に紛れてしまうほか、macOSアプリが全画面モードになっている場合はシステム的に画面上部に黒いボーダーを追加し、ノッチを隠しつつユーザーが表示中のコンテンツを邪魔しないようにする、という具合です。またアプリ開発者は、コンテンツをノッチの両側に表示するよう選べるとも伝えられています。

2017年に初採用されたiPhoneのノッチも全人類に愛されているとは言えず、アップルもいずれ消そうと努力しているとの噂話もよく報じられています。実際iPhone 13シリーズでもノッチが2割ほど小さくなったと強調されており、iPhone 14 Pro(仮)モデルではパンチホール化してさらに小さくするとの予想もありました。

iPhoneでのノッチは「全画面デザインに近づくなかで残り続ける欠点」に近い存在に対して、MacBook Proでは「ベゼルを薄くしつつ、macOSメニューを近鉄の邪魔にならないよう待避させておく場所」という位置づけであり、意味合いが異なるはず。とはいえノッチを設けるならば、MacもiPhoneのようにFace ID搭載を望む声が少なくなさそうです。

Source:Same Brain podcast

via:MacRumors