「ポータブルWi-Fi」レビュー
25/03/2022
縦長デザインの8.8型液晶ディスプレイ「EK-MD088」(右)に、ドスパラのスティック型PC「Diginnos Stick DG-STK1」(下)、エレコムのBluetoothハンディトラックボール「Relacon」を組み合わせたところ
皆さんこんにちは。オーディオ・ビジュアル製品などを中心に幅広く取材しているマイナビニュース編集RSこと庄司です。今回取り上げるのは、一部の界隈で熱視線を集めている“縦長液晶ディスプレイ”ですが、しょっぱなからぶっちゃけてしまいます。「コレ、何に使えば良いの?」(じゃあなんで買ったんだ)。【写真】EK-MD088(左)を手持ちのiPhone 12 mini(右)と並べてみたところ。おおよそのサイズ感が伝わるでしょうか筆者が購入したのは、8.8型/480×1,920ドットのTFT液晶パネルを搭載した液晶ディスプレイ「EK-MD088」。ノジマのプライベートブランド・ELSONICから2021年秋に発表された、玄人好み(?)の製品です。価格は14,800円ですが、発売記念の期間限定価格(12,800円)で即予約購入。発送を心待ちにしていました。当初、2022年2月上旬に発売予定としていましたが、手元に到着したのは2月18日。パッケージを開けて本体とご対面したときのひと言は「おお、小さいなぁ」。Fire HD 8を少し縦長にしたくらいのサイズをイメージしていたので、予想通りといえばまぁそうなんですが、実物を見て買ったわけではない(オンライン専売だった)ので、改めてそのコンパクトさを実感した次第です。本体サイズは約78×248×21mm(スタンド収納時)、重さは約230g。手持ちのiPhone 12 miniと並べて写真を撮ってみました。EK-MD088のおおよそのサイズ感が伝わるでしょうか。ひと通りブツ撮りを済ませてから、Windows 10搭載のスティック型PC「Diginnos Stick DG-STK1」とエレコムのBluetoothハンディトラックボール「Relacon」をつないでテストしてみました。単純につなぐだけで480×1,920ドットの縦長画面が表示され、特になにか設定する必要もなく普通の外付けディスプレイとして使えます。この製品は“SNS閲覧向け”を謳っており、TwitterやLINEの表示などに適するとアピールされていましたが、実際に見てみると文字を読むには微妙に解像度が足りない印象で、ちょっと辛い感じ。もっとも、筆者はコレをTwitter閲覧に使うつもりはありません。玄関に設置して各種インフォメーション(天気とかゴミ出しのスケジュールなど)をサイネージっぽく表示させたり、イイ感じの風景画像をスライドショーで流して楽しむインテリア的な使い方をしようと思っていたのです。が、EK-MD088はそういった使い方をするには小さすぎました。Amazonの15.6型スマートディスプレイ「Echo Show 15」の国内導入(米国では発売済み)をおとなしく待てば良かった……。EK-MD088のインタフェースは、mini HDMI入力と給電用のUSB Type-Cが各1基。同梱のmini HDMI - HDMIケーブルでPCにつなぎ、別途用意したUSB充電器からUSB-C to Aケーブル経由で液晶ディスプレイに給電して使います。背面にはディスプレイを立たせるためのスタンドを備え、角度調整も可能。同じ解像度の類似商品ではスタンドを自作しないといけないモノもあるようですが、この点でEK-MD088はニーズを的確に捉えて作られているなと感じました。ただ、mini HDMIとUSB-Cの端子がディスプレイの裏側に下向きに取り付けられているのと、付属のケーブルが硬いこともあり、立てて使おうとすると背面の収納スタンドがケーブルとぶつかります。自立しづらく安定しないのが難点で、もっとやわらかいケーブルか、L字型コネクタを用意する必要がありそうです。ちなみに今回はスティック型PCだけでなく、筆者のメインマシンであるM1搭載MacBook Air(2020年モデル)にも、HDMI出力を備えたUSBドック経由でつないでみました。が、ディスプレイ設定を開いても正しい解像度に設定できず(なぜかフルHD/1,920×1,080ドットが選ばれていた)、画面表示の縦回転もできません。Macユーザーとしてはなんとか480×1,920ドットで表示させる術を知りたいところです。パッと思いつくのはApple純正の「USB-C Digital AV Multiportアダプタ」(Apple Store価格:7,480円)を使うことぐらいですが、追加出費は痛いのでそれ以外で。と、そんなこんなで当初想定していた用途では使いにくそうですが、せっかく手に入れた縦長ディスプレイなので、何か面白い使い方をしたいところ。今のところ有力なのは、このディスプレイとスティック型PCを一体化させ、バッテリー稼働にして「復活のWindows 10搭載スマホ!」に仕立てるというアイデアですが、どこが“毎日のくらしをちょっとイイ感じにする”本連載のテーマと結びつくのかは、正直よく分かりません(おい)。筆者の発想力が問われている気がしますが、こういうことを考える時間は楽しいのでまぁ良しとしましょう。
庄司亮一