「iPad(第9世代)」「iPad mini(第6世代)」を前世代モデルと比較!それぞれの特長とは

「iPad(第9世代)」「iPad mini(第6世代)」を前世代モデルと比較!それぞれの特長とは

2021年9月のAppleの発表会では、約2年ぶりとなる「iPadmini(第6世代)」の大型アップデートが発表され、「iPad(第9世代)」とともに注目を集めた。

では、その進化点は何なのか。「iPadmini(第6世代)」と「iPad(第9世代)」とを前世代モデルと比較しながら、特長を紹介していく。

最初に、「iPadmini」と「iPad」の新モデルと前世代モデルのスペック比較から確認しよう。

モデル名発売年月対応通信規格画面サイズディスプレイ本体サイズ厚さ重量(Wi-Fiモデル)カメラWi-Fiチップスピーカー数ApplePenciliPadキーボード認証方式端子センサー
iPadmini(第6世代)20212021年9月5G/4G約8.3インチLiquidRetinaディスプレイ/TrueTone約195.4×134.8mm約6.3mm約293g12MP広角/センターフレーム/クアッドLEDTrueToneフラッシュWi‑Fi6(802.11a/b/g/n/ac/ax)A15Bionic2(横向き)第2世代ー(Bluetoothキーボードに対応)TouchID(トップボタン内蔵)USB-C3軸ジャイロ/加速度センサー/環境光センサー/気圧計
iPadmini(第5世代)20192019年3月4G約7.9インチRetinaディスプレイ/TrueTone約203.2×134.8mm約6.1mm約300.5g8MP広角Wi‑Fi(802.11a/b/g/n/ac)A12Bionic2第1世代ー(Bluetoothキーボードに対応)TouchID(ホームボタン内蔵)Lightning3軸ジャイロ/加速度センサー/環境光センサー/気圧計
iPad(第9世代)20212021年9月4G約10.2インチRetinaディスプレイ/TrueTone約250.6×174.1mm約7.5mm約487g8MP広角/センターフレームWi‑Fi(802.11a/b/g/n/ac)A13Bionic2第1世代SmartKeyboardTouchID(ホームボタン内蔵)Lightning/SmartConnector3軸ジャイロ/加速度センサー/環境光センサー/気圧計
iPad(第8世代)20202020年9月4G約10.2インチRetinaディスプレイ約250.6×174.1mm約7.5mm約490g8MP広角Wi‑Fi(802.11a/b/g/n/ac)A12Bionic2第1世代SmartKeyboardTouchID(ホームボタン内蔵)Lightning/SmartConnector3軸ジャイロ/加速度センサー/環境光センサー/気圧計
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この比較表を見ただけでも、「iPadmini(第6世代)」がデザインから画面サイズ、接続端子のほか、スペックまでガラリと変わったフルモデルチェンジであることがわかる。2019年の前世代モデルから約2年半ぶりのアップデートだ。従来はスタンダードモデルである「iPad」のミニサイズ版という印象だったが、一変して「iPadAir」の小型版ともいえる頼もしい立ち位置のモデルになった。

まずは、iPadminiの外見から見ていこう。ホームボタンがなくなり全面画化されるなど、大きくデザインが一新された。

認証形式は前世代モデルと変わらずTouchIDだが、ホームボタンの代わりに、フレーム上部のスリープボタンと兼用になり、2020年に発表された「iPadAir(第4世代)」と同じ仕様になっている。

「iPad(第9世代)」「iPad mini(第6世代)」を前世代モデルと比較!それぞれの特長とは

また、カラーバリエーションはシルバー、スペースグレイ、ゴールドの3色展開から、スペースグレイ、スターライト、ピンク、パープルの4色展開へと選択肢が増えた。

サイズは全長が少し短くなり、0.3mm厚みが増した一方、セルラー/Wi-Fiモデルともに10g弱軽くなっている。サイズも重量も軽微な変更であるため、手に持った感覚は前世代モデルとほとんど変わらない。

ちなみにAppleのさまざまな機種のなかで“ひとつ下”のサイズは「iPhone13ProMax」になるのだが、同モデルと比べると感覚的にはふた回りほど大きい。ただ、「iPhone13ProMax」の重量約238gに対して、「iPadmini(第6世代)」は約60g重いに過ぎない。持ち比べるとわかるが、見た目に比べかなり軽い印象だ。

前世代モデルの「iPadmini(第5世代)」では7.9インチRetinaディスプレイを搭載していたが、新モデルの「iPadmini(第6世代)」では8.3インチRetinaディスプレイへと大きくなった。

そして、新モデルの「iPadmini(第6世代)」のフロントカメラは1,200万画素で122度と超広角。

話者を自動追従する「センターフレーム」機能を搭載し、ビデオチャットなどで被写体を追従する。背面カメラも1,200万画素で、4K/60fpsの動画撮影に対応した。

接続端子はLightningコネクタからUSB-Cコネクタへと変更となった。MacやiPadAir、iPadProなどと併用しているユーザーにとっては歓迎すべきポイントだろう。

その一方で、現行のiPhoneシリーズやiPadAir同様、ステレオジャックが廃止となった。イヤホンやヘッドホンを使いたい場合は、Bluetooth接続のものが必要だ。そのほか、サウンド関連としてはステレオスピーカーを搭載したことで、動画や音楽もハイクオリティで楽しめるようになった。

新モデルの「iPadmini(第6世代)」のストレージは、前世代モデルから変わらず64GBと256GB。バッテリー駆動時間はWi‑Fi接続最大10時間、セルラー接続時最大9時間と、こちらも前世代モデルと同様のスペックとなっている。

とはいえ、スペックは飛躍的に向上している。まず、セルラーモデルは待望の5Gに対応。プロセッサは前世代モデルの「A12Bionic」から一気に3世代飛んで「A15Bionic」を採用し、CPUは40%、GPUは80%高速化。「iPadAir(第4世代)」が搭載する「A14Bionic」と比べても、魅力的な処理速度を実現している。

一方の「iPad(第9世代)」はカメラと処理速度をアップデートした、堅実な進化といえる。

おもな変更点のひとつめは、プロセッサだ。新たに「A13Bionic」を搭載。「A12Bionic」を搭載していた前世代モデルと比べてCPU、GPUともに処理能力が20%向上した。また、ストレージは64GBと256GBから選べ、32GBと128GBだった前世代モデルから底上げされている。

カメラ機能も強化されており、「センターフレーム」機能を搭載する1,200万画素のフロントカメラで、ビデオチャットの快適性が高まった印象だ。加えて、環境光などで色彩や輝度を自動調整する「TrueToneディスプレイ」を搭載した。

また、カラーバリエーションはシルバーとスペースグレイの2色展開となっている。

コロナ禍を経て、iPadをはじめとするタブレット端末に求められる役割はより大きくなったといえる。「スマホ以上、PC未満」という立ち位置から、仕事も勉強も「あらゆる場所で、なんでもできる」万能ガジェットとして存在感を高めている。

そんななかで登場した「iPadmini(第6世代)」は、iPhoneとiPadAirのあいだを埋める存在として申し分のない進化を遂げた。そして「iPad(第9世代)」はエントリーモデルとしてアップデートされ、手軽さを維持しながら堅実なスペックアップを果たした。いずれを選んだとしても、日常をより便利にするスペックを備えているので、用途に合わせて使い勝手のいいモデルを選んでほしい。

文:吉州正行