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エンガジェット日本版 LG V60 ThinQ のスタイラスペンはノートPCと共用できて便利(山根博士)

Engadget Logo エンガジェット日本版 LG V60 ThinQ のスタイラスペンはノートPCと共用できて便利(山根博士)

デュアルスクリーンケースを付けて2画面が使えるLGの「V60 ThinQ」。2019年2月に初代モデル「V50 ThinQ」が発表されたときはキワモノ的な製品とも見られましたが、マイクロソフトが似たようなデザインを採用した折り畳み式タブレット「Surface Duo」を発表済みです。

Surface Duoは、閉じた状態では5.6インチ、開くと8.1インチのディスプレイを利用できます。ペンを使って手書きなどができるため、メモを取ったりイラストを描くといった用途にも使えます。

iPadでApple Pencilを使っている人ならわかると思いますが、大画面のメリットはメモなどが書きやすいこと。Surface Duoも手帳のように本体を左右に開くことで、大画面タブレットのように使えます。

一方、V60 ThinQは閉じると6.8インチ、デュアルスクリーンで同じサイズのディスプレイをもう1枚追加できます。V60 ThinQもスタイラスペンを使えますが、このスタイラスペンは市販されている簡易的なものではなく、ワコムの技術を採用した専用のもの。単6電池で駆動します。

スタイラスペンには2つのボタンがあり、ボタンを押すと好みのアプリを起動することも可能。ペンの太さは一般的なペンと変わらないので握りやすいです。また、ペンクリップが付いているので胸ポケットなどに挟んでおけますが、ペンをV60 ThinQ本体に内蔵できないのがちょっと残念なところ。

実際にスタイラスペンを使ってみた

LGは過去にペンを内蔵した「Vu」シリーズや、最近は「Q Stylus」シリーズを出しています。そのため、ペンを利用した手書き対応アプリも自社開発しており、V60 ThinQにも「Qメモ+」がプリインストールされています。Qメモ+はスタイラスペンや指先による手書きやテキスト入力に対応しています。デュアルスクリーンを利用するときは左側の画面でも手書きができます。なおほかのアプリと同じように、ポップアップ表示もできますが右側の画面でしか使えません。

スタイラスペンを使った書き味はApple Pencilほどではないものの、筆圧も感知し細かい書き込みにも対応します。ペンの重量も本物のペンに近く、断面が丸いため握り心地もいい感じです。「ガラスの上に固めのサインペンで書く」といった感覚でさらさらと手書きできるので、十分紙の代替となります。

例えば、デュアルスクリーンを利用しているときに「左にブラウザ、右にQメモ+」を起動しておけば、検索しながらメモ取りできるので、情報収集もはかどります。アマゾンで気に入ったものがあるけどブックマークに入れるほどではない、なんてときもメモを図入りで記録しておけるわけです。

常に片方の画面にQメモ+やグーグルKeep、マイクロソフトのOneNoteなどを起動しておき、すぐにメモを取るといった使い方も可能です。

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また、右側のメイン画面には2つのアプリの分割表示も可能です。V60 ThinQを横向きにおいて、上(デュアルスクリーンのサブ画面)と下(メイン画面)で2つのアプリを表示できます。さらに、下の画面を分割して片側にメモアプリを表示しておけば、ブラウザとSNSで情報を検索しながらメモを取る──といったこともできるのです。小さい画面でも純正のスタイラスペンなら小さい文字もしっかり書き込めます。

V60 ThinQを単体で使っているときは、Qメモ+をポップアップ表示にして最小サイズにしておけば、たとえばブラウザの上に自由に書き込める付箋紙を乗せているような感覚で使うことができます。グーグルの「Keep」など、他のメモアプリでも同様に手書きやポップアップ表示が可能です。またペンを使えばポップアップした小さいウィンドウのリサイズや移動も楽に行えます。

お遊びで複数のアプリを使いつつメモを取ってみました。デュアルスクリーンで右側にブラウザ、左側はTwitterを表示、その上にYouTubeとQメモ+をポップアップで起動。動画を見ながら検索、SNSの閲覧、メモを取る、なんてこともできるわけです。ただ、ポップアップスクリーンが右側でも表示できたら完璧なのですが……。

とはいえ、ペンを必要とするユーザーの数はあまり多くないかもしれません。簡単なメモ程度ならばLINEのグループメッセージで自分宛てにメモを送る、なんて使い方でも十分でしょう。しかしちょっとした思い付きから大きいアイデアを思い付いたときなど、メモ帳を開いて自由に書き込みをしたいもの。あるいは電話中にメモを取るときにはスタイラスペンがあると便利です。

最近のスマートフォンはどれもディスプレイサイズが大型化していますから、ペンを使った書き込みもしやすいでしょう。筆者は長年Galaxy Noteシリーズを使い続けていますが、本体サイズが年々大型化することで「ペンによる書き込みがしやすい」「書いた後のノートが見やすい」といったことからペンを使う頻度がより増えています。最近は紙のノートにメモを書くこともなくなってしまいました。

また、筆者は普段から複数のスマートフォンを使い分けていますが、ペンが使えないスマートフォンを使っているときにブラウザに、表示された情報を記録するとなるとスクショを取るしか方法がなく、そのスクショがたくさんたまってしまって後から整理できなくなることがよくあります。

「スタイラスペンなら100円ショップでも買える」という声もありますが、昔ながらのスタイラスペンは画面にタッチした時の感度が悪く、実際に使ってみると細かい文字やイラストを描くのは困難です。また、サードパーティー製の充電式の感度のいいスタイラスペンも出ていますが、スマートフォンメーカーの純正スタイラスペンならばスマートフォンの専用アプリとの組み合わせ(LGならQメモ+)も最強です。

「LG V60 ThinQ」と「LG gram 2in1 モデル」があればスタイラスペンを共用できる

実は、LG V60 ThinQ用のこのスタイラスペンは、国内で販売されている軽量ノートPC「gram」シリーズの2in1モデルで標準添付されているものと同じもの。そのため同じノートPCと同じペンを共用できるというメリットもあります。

LGは前述したようにVuシリーズなど、ペン付きスマートフォンを古くから出しており、日本でも昨年「LG Q Stylus」を出しています。またV60 ThinQと同じスタイラスペンが使える5Gスマートフォン「VELVET」も発売しており、スタイラスペンにも対応します。

サムスンのGalaxy Noteと異なり、LGのスタイラスペンはスマートフォン本体に収納することはできませんが、LGとしても機種ごとにペンを作り分ける必要がなくなるため、コスト削減が図れます。

Surface Duoが出てくればV60 ThinQも同じ方向性を向いた製品としてデュアルスクリーン+スタイラスペンの利便性が評価されるに違いありません。LGにはぜひともこの秋、VELVETの日本投入とスタイラスペンの正式販売を行ってほしいものです。

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