ファンレスで無音の小型デスクトップ「CHUWI HeroBox」

ファンレスで無音の小型デスクトップ「CHUWI HeroBox」

コスパに優れたCeleron N4100搭載機

 Celeron N4100は、Gemini Lakeのコードネームで知られるプロセッサだ。もともとAtom系列のアーキテクチャ流れを汲んでいることもあり、低消費電力と低発熱を特徴とし、小型フォームファクタでも比較的容易にファンスを実現できる。本製品はこのCeleron N4100の特徴を活かし、小型フォームファクタながらファンレスを実現している。

ファンレスで無音の小型デスクトップ「CHUWI HeroBox」

 本機はこのCeleron N4100をベースに、メモリ8GB、ストレージにIntelの180GB SSD、OSにWindows 10を搭載している。安価なPCにありがちなメモリ/ストレージ容量の削減が行なわれていないため、複数のアプリケーションを同時に立ち上げて使用したり、Windows 10の大型アップデートが来ても安心できる、実用性の高いスペックに仕上がっていると言える。

 ちなみに同様にCeleron N4100を採用した小型デスクトップとして、ECSの「LIVA Z2」シリーズが挙げられる。こちらの一例として、メモリ4GB/ストレージ64GB/OSにWindows 10 Home Sモードを搭載した「LIVAZ2-4/64-W10(N4100)S」の実売価格は28,980円となっている。HeroBoxはこれよりも安くスペックが高いので、コストパフォーマンスはかなり高いと言ってもいいだろう(ただしLIVA Z2はメモリを増設可能なベアボーンである)。

 さて実製品を見ていこう。箱はCHUWIのご多分に漏れず、飾りっ気のないシンプルな茶箱に入っている。本体のほかに付属品はACアダプタ、VESAマウンタとネジ8本(2種類×4本)、説明書と至ってシンプルだ。ちなみに、編集部に来たサンプルは、発送された倉庫の関係からPSEマークなしのACアダプタで、プラグがCタイプだったが、日本のAmazonで販売する分に関してはACアダプタがPSEのマーク付き、プラグがAタイプになる。

 本体は多角形を用いた、ゲーミングライクなデザイン。前面には電源ボタン、USB 3.0×3(うち1基はType-C)、microSDカードスロット、背面にはリセットボタン、DC入力、ミニD-Sub15ピン、HDMI出力、Gigabit Ethernet、USB 2.0×2、3.5mmヘッドフォン出力を搭載する。このご時世にわざわざミニD-Sub15ピンを用意しているのは、古いPCのリプレースを考慮してのことかもしれない(かなり少数派だろうが)。

 シャーシはプラスチック製だが、周囲に金属製とみられるフレームがあり、そこそこ高級感がある。シャーシとフレームのあいだにギザギザが見え、一見ヒートシンクに見えるのだが、プラスチックのためそのような機能はない。その代わり、目立たないが、くぼんだ部分が穴となっており、熱によって発生する自然対流で、内部の空気を逃がす仕組みとなっているようだ。

 付属するACアダプタは12V/2A出力とやや大きめだった。本機は省電力設計を採用しているため、消費電力を10W未満に抑えているという。よって、24W出力できるACアダプタは、明らかにオーバースペックだ。いっそのこと5V/2.4AのMicro USBか、5V/3A程度のUSB Type-Cの給電で稼働させればよいのに、と思わなくもないが、そこはコストとの兼ね合いがあったのかもしれない。

化粧箱本体上部。ゲーミングノートっぽいデザイン前面は電源ボタン、USB 3.0×3(うち1基はType-C)、microSDカードスロットを装備背面にはリセットボタン、DC入力、ミニD-Sub15ピン、HDMI出力、Gigabit Ethernet、USB 2.0×2、3.5mmヘッドフォン出力を搭載付属のACアダプタとACコード。試用機は海外仕様だが、実際に日本で販売される製品は日本仕様となる持ち運ぶユーザーはいないと思うが、重量は570gだった