女子高校生の間で「Twitter離れ」が進行?Instagramのストーリーズが代行 女子高生の「ツイッター離れ」が進行する必然

女子高校生の間で「Twitter離れ」が進行?Instagramのストーリーズが代行 女子高生の「ツイッター離れ」が進行する必然

「あとグループだよね。親ともグループで連絡してるし」という声も。家族や友達とつながっている重要な連絡ツールであるLINEは、もはや通信インフラと化しています。

LINEは全世代に普及しており、総務省の平成29年版情報通信白書によると、2016年における10代から60代までのLINE利用率は67%で、60代が20%台と低いものの、ほかの世代はすべて過半数を超える利用率になっています。「LINEやってない」という人が減ったのは、皆さんも日々体感していますよね。

無料通話ができるスマートスピーカー「LINE Clova Friends」のCM(出所:LINE公式YouTube)

話題だった「既読スルー」や「未読スルー」も最近は気にならないそう。「何日に会う?とか用件があるときは早く返せよって思うけど、そうでなければ別にどうでもいいかな」という女子高生もいれば、「トーク相手によるよー」という人も。「もうメールと一緒だよね」という意見には、ほかの女子高生も頷いていました。

テンポのいいトークを交わすこと自体が遊びだったLINEの使われ方が少しずつ変わり、近しい人との連絡手段や通話ツールとしての需要が増しているようです。InstagramやTwitterが楽しくても、LINEをやめるという選択肢はないとのことです。

「そういえば、Twitterって全然開かなくなった」

1人の女子高生が言うと、ほかの女子高生たちからも「私もー」との声が。女子高生がLINEと同じぐらい好きだったTwitterに何が起きているのでしょうか。

InstagramのストーリーズがTwitterの代わりに

調査会社のテスティーが2月に発表した「現役JKのぞき見企画【Vol.7】Twitterに関する調査」によると、「利用しているSNS」の第1位は「LINE」で87.1%、第2位は「Twitter」で67.5%、第3位は「Instagram」で53.0%だったそうです。

古参のSNSであるTwitterがなぜ女子高生に支持されているかは、記事「中高生がLINEとTwitterを使い分けるワケ」にも書きましたが、彼女たちは発信先に合わせた投稿をつねに心がけているからです。アカウントを複数作ってでも、読んでいる人が不快に思わないように配慮して発信しています。

ところが、最近は「Twitterを開くときは誰かの誕生日のときぐらい」という女子高生が出てきたのです。その理由を聞くと、「TwitterにつぶやいていたようなことはInstagramのストーリーズに投稿するから」とのこと。

Instagramのストーリーズとは、通常の投稿とは異なり、24時間経つと投稿が自動的に消える投稿です。静止画や動画に文字や動きの加工を付けて投稿することができます。「インスタ映え」を狙った投稿ではなく、日常のふとした出来事を気軽に投稿する人が多いことが特徴です。

女子高校生の間で「Twitter離れ」が進行?Instagramのストーリーズが代行 女子高生の「ツイッター離れ」が進行する必然

「たとえば、バイトつらいーって言いたいとき、Twitterに“バイトつらい”って書いたら重い。でもストーリーズなら頭抱えているような自撮りに文字を入れると楽しい感じになるでしょ」

画像をわざわざ撮るのは手間が掛かるとも思いますが、画像がないときは文字だけでも投稿できるので、カラフルな背景や楽しいフォントを使うことで明るく愚痴を言えるのだそうです。

ストーリーズにはハッシュタグや位置情報を入れられるのですが、ほとんどしないとのこと。「ジーアイエフ(GIF動画のこと)はすごい入れる。あとアンケートもよくするよ。友達みんな見てるから、回答も集まるし」。

「(友達のストーリーズに)突っ込みが入れられるのもいいよね。見たらコメントすると、そのままDMになるから会話が続いたりして。今度そこに行こうとかいう話になったりする」

ストーリーズのコメントは、「DM(ダイレクトメッセージ)」として相手に送られます。逆にコメントしづらいのでは?とも思いますが、周囲に見られず会話に移行できる点は確かに便利です。

同じ相手にInstagramのDMとLINEのトークが同時並行することも珍しくないそう。「Instagramでは学校の話をして、LINEでは食べ物の話をしてたりとか、同じ人と違う話題で話してることよくあるよ。LINEにSnapchatで撮ったおもしろい顔の動画を送ったりね」と、自然にSNSを縦断して使っている様子が窺えます。

ストーリーズはTwitterのようなつぶやきを楽しくシェアできる(筆者撮影)

「あとストーリーズは見やすいのがいい! Instagramを開いて、ストーリーズをタップすれば自動的に友達のストーリーズが表示されてくから。興味がないのは画面をぽんってすると次に飛ばせるから、ぽんぽんしてると全部見れる」

ストーリーズはフォローしているアカウントの投稿が次々に自動再生されていきます。通常の投稿をスクロールして見ていくよりも、自動再生されるストーリーズを眺めているほうがラクとのこと。

この「見る人に負担がほとんどない」点が、場に合わせた投稿を死守したい女子高生でも自由に投稿できる理由でしょう。そして、ストーリーズは24時間で消えます。変な顔で写っていても、他人に振り返られることはありません。また、お気に入りのストーリーズはプロフィール画面に残すこともできます。どんどん作って、気に入ったものだけ残せるという気軽さも重要なのです。

Twitter人気もまだ続く

オトナでも好きなSNSが人それぞれに異なるように、女子高生もタイプによってどのSNSが好きか分かれるようです。TwitterからInstagramに移行したのは、明るくて流行に敏感な「陽キャ(陽気なキャラクター)」が多い印象です。一方、「陰キャ(陰気なキャラクター)」は相変わらずTwitterを推す傾向があります。

「ストーリーズは画像入れたり投稿するのがめんどくさいし、誰が読んだか知られるし、DMにオンライン中とか出るし、ウザい。Twitterが一番気楽。非公開アカウント作って、仲良しとだけつながって、からリプ(誰宛てとはっきり言わないツイート。エアリプとも言う)で会話してるのが最高」

ストーリーズで最も投稿された犬のフェイスフィルター(写真:Instagram)

「好きな芸能人とかゲームのことをストーリーズには投稿できないし、やっぱり趣味垢しかない」

性格だけでなく、学年にもよるかもしれません。Instagramは高校生でも学年が上がると利用されている印象です。現在は、中学生はLINEのタイムライン、高校入学前後でTwitterを始め、その後Instagramへと流れていきます。

流行に敏感な女子高生でも、毎回インスタ映えは厳しいもの。気軽な内容で投稿できるストーリーズは、画像や動画を撮るだけで言いたいことをサクッとシェアできます。新たな機能で若者の心をつかんだInstagramですが、この流行は日本だけではありません。Instagramが2017年8月に発表したデータによると、ティーン世代(13〜18歳)はそれ以外の利用者よりも6倍多くの写真や動画をストーリーズでシェアしているとのこと。今後のSNS動向にも目が離せませんね。