「ポータブルWi-Fi」レビュー
25/03/2022
漫画「夫婦で育休バトンタッチしました」のカット=しらご(go_go_shirago)さん提供
夫婦で交互に育児休業を取得した体験を描いた漫画「夫婦で育休バトンタッチしました」がSNS上で話題となっています。妻が1年間、その後、夫が1年間、バトンタッチする形で育休を取得した夫婦。その結果、よかったと思うことがいくつもあり…という内容で「貴重な情報です」「納得しました」「うちも同じ形で取りました」などの声が上がっています。作者の女性に聞きました。【漫画】本編を読む
この漫画を描いたのは、ワーキングマザーのしらご(ペンネーム)さん(28歳)です。インスタグラムとツイッターで育児漫画などを発表しています。Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからでしょうか。しらごさん「2020年の12月からです。最初の漫画は、夫が育休を取りたいと言いだして、驚いた気持ちをそのまま描きました。子育てを通して起こった出来事や息子の成長を残したいと思い、インスタグラムやツイッターで発表しています」Q.今回の漫画を描いたきっかけは。しらごさん「夫が育休を取って数カ月がたち、男性の育休はまだ、社会に受け入れられていないことを実感しました。漫画として発信することで、バトンタッチ育休を知ってもらい、選択肢の一つとして考えてもらえたら、夫のように苦労するパパが減るのではと思い、今回の漫画にしました」Q.なぜ、「バトンタッチ型育休」を取ろうと思ったのですか。しらごさん「息子が生後2カ月ごろ、いつまで、私が育休を取ろうかという話し合いをしたとき、私は仕事復帰したい気持ち、夫は息子の成長を近くで見守りたい気持ちが強いことが分かりました。なにも女性ばかりが育休を取る必要はない、取りたい方が取ったらいいということで、息子が生後9カ月になるタイミングで夫とバトンタッチすることにしました。そのための準備として、両親や職場の人たちに相談をしたり、かかりつけの病院、支援センター等の情報を引き継ぎました」Q.パパが1人で育休を取得することに不安はありませんでしたか。しらごさん「それまでも休日に息子を夫に預けて、私が出かけたりと何度か、ワンオペ育児の経験があったので特に心配はなかったです。夫も同じ様子でした。ただ、私たちの両親は最初は驚いて心配していました。おそらく、世代的に男性が育休を取るイメージが湧かなかったのだと思います。私た意志が固いことが分かると応援してくれるようになりました」Q.職場の方の反応はいかがでしたか。しらごさん「夫が職場の上司に育休取得の相談をした際は、引き止められはしなかったのですが、時短など育休以外での育児への関わり方を勧められました。夫の職場でも、パパ育休はとても珍しかったのです」Q.バトンタッチ型育休を経験して、分かったことはありましたか。しらごさん「私の育休中に夫に求めていたことが、自分がその立場になるとなかなか難しいことに気付きました。たとえば、仕事で疲れていたり、息子の日中の様子が分からないと、なかなか積極的に動けない気持ちになることが理解できました。夫側もワンオペ育児には終わりがなく、『寝ても覚めても、そこにある精神的な疲れがどんどん蓄積される感じだ』と言っていました。仕事のつらさと育児のつらさは、同じものさしで測ってはいけないことにも気付きました」Q.バトンタッチ型育休のメリットは。しらごさん「育児に専念する側、仕事と育児を両立する側、どちらの立場も経験することで、お互いの気持ちが分かるということが最大のメリットだと思います。また、夫婦同時に育休を取ったパターンでたまに聞くのが『育休を取ったはいいが、パートナーがあまり助けにならない』という声です。バトンタッチなら、育休中は1人で子どもを見るので、育児の第一責任者にならざるを得ません。夫は離乳食の作り方や支援センターの情報を調べるなど、自分から積極的に動くようになりました。今後、たとえば、第2子出産などで自分が動けない状態になっても安心して任せられそうです」Q.デメリットもありましたか。しらごさん「男性の育休に対して、社会の理解が追いついていないことです。夫の職場では、育休を取得しているという説明が仕事相手に不十分だったため、夫は『なぜ長い間、休んでいるのかと不信感を抱かれないか、仕事復帰が不安だ』と言っていました。また、支援センターの授乳室がとてもオープンな形になっているなど、仕様が“ママ専用”になっているため、戸惑うことが多いそうです…」Q.漫画について、どのような意見が寄せられていますか。しらごさん「インスタグラムやツイッターでたくさんの反応を頂きました。『新しい育休の形を知ることができました』というコメントや、他にもバトンタッチ育休を取得したご家庭の話も聞けて、勉強になりました。また、『いいと思うけど、うちの状況では無理だな…』というコメントもあり、やはり、家庭の状況によって、パパ育休は取りづらいのだなといろいろな課題も見えてきました」Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことは。しらごさん「多くのパパが育休を取る世の中になれば、上に挙げたデメリットや問題は改善されていくと思います。これからも夫の育休について発信し、取得を迷われているパパを応援したいです。今後も息子のかわいさや成長を育児漫画として残していくため、楽しく活動していきます!」
オトナンサー編集部
最終更新:オトナンサー