(連載:途上国・新興国の2020年人口センサス)第6回 中国――大国としての自負とその行方

(連載:途上国・新興国の2020年人口センサス)第6回 中国――大国としての自負とその行方

新型コロナウイルス感染症の流行が全世界に拡大した2020年、その最初の流行地とされる中国では、1949年の建国後7回目となる全国人口センサス(第七次全国人口普査。以下、第7回センサスとする)が実施された。

(連載:途上国・新興国の2020年人口センサス)第6回 中国――大国としての自負とその行方

第7回センサスは、2010年6月施行の「全国人口センサス条例」に基づき、2020年11月1日午前0時時点で中国国内に居住する人(香港・マカオ・台湾および外国籍の中国本土居住者――短期滞在者除く――を含む)および中国国外に居住する(定住していない)中国公民を対象に、4種の調査票を用いて行われた。すなわち、全数調査(短表)および10%サンプル調査(長表)、この1年間の死亡者に関する調査票、外国籍居住者に対する調査票からなる。調査対象と調査の内容構成は、第6回センサスと同様である。

「大国の点呼、あなたなくしてうまくいかない」を一つのスローガンに実施された2020年の第7回センサスは、中国共産党設立100周年である2021年までに達成が目指された「小康社会(まずまずの生活水準に達した社会)」の実現を確認するうえでも重要な意味をもったと思われる。以下、このセンサスの概要について紹介したい。