“NHK受信料を支払わなくていいテレビ”を製品化 ドンキの狙いは?

“NHK受信料を支払わなくていいテレビ”を製品化 ドンキの狙いは?

ドン・キホーテの店舗(出典:同社公式Webサイト)

“NHK受信料を支払わなくていいテレビ”を製品化 ドンキの狙いは?

 ディスカウントストア「ドン・キホーテ」を運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスが2021年12月に発売した「ネット動画専用スマートTV」がネット上で大きな話題を呼んだ。それはテレビと称しながら、テレビチューナーを搭載していないためだ。つまり、テレビの視聴機能を外した、ネット動画の視聴に特化した製品なのだ。【画像】ドンキの「ネット動画専用スマートTV」とスペック詳細(全4枚) テレビを視聴できないという特徴も注目を集める理由の一つだが、話題になっている大きな要因が「NHK(日本放送協会)の受信料の支払い義務が発生しないのではないか」という点だ。 放送法64条は「NHKの放送を受信することができる受信設備(テレビ)を設置した者は、NHKと受信契約をしなければならない」と規定。同法を根拠に、総務大臣の許可によって定められたNHK放送受信規約は「放送受信料を支払わなければならない」と義務付けている。 本当に受信料を支払わなくてもいいのか。NHKに直接見解を聞くとともに、ドンキに製品化の狙いを聞いた。

AndroidOS搭載、外部機器なしで動画視聴が可能

 最近は米アマゾンが提供する「Fire TV Stick」や米グーグルの「Chromecast」を設置し、「YouTube」「Netflix」「Amazon Prime Video」「Hulu」などの動画を自宅のテレビで視聴するスタイルが定着しつつある。新型コロナウイルスの感染拡大で、自宅で過ごす時間が増えたことも追い風になった。 そうした中でドンキが自社のPB(プライベートブランド)で発売したチューナーレステレビ。AndroidOSを搭載し、外部機器なしでネット動画を視聴できるのが特徴だ。同社は開発の経緯について「もともと、お客さまからチューナーがなくてもいいという声を多く頂いていた。生活様式の変化に伴い、リアルタイムでのテレビ視聴よりも、好きな時に好きな番組を見られるニーズが日増しに高まっていることを商品開発チームも実感していた」と振り返る。 「当社PBの基本的な開発方針に“大手メーカーさまが作らない、ドン・キホーテだからこその尖った商品”という考え方がある。その考えに沿った商品でもあるため、商品化に向けては賛否で言えば“賛”が多い状況だった」(同社広報) 同社によると発売から現在までに、約2000台を販売。大手家電メーカーではなく、PBであることを考慮すると上々の数値といえるだろう。売り上げ台数について同社は「店舗によっては在庫が行き渡らないほど注目を集め、ご購入を頂いている」としており、手応えを感じているようだ。

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