「ポータブルWi-Fi」レビュー
25/03/2022
2000年に、ジョージア工科大学のコンピュータ科学者とエンジニアのグループが、「アウェア・ホーム (Aware Home) 」と呼ぶプロジェクトを行った。目指すのは、「ユビキタス・コンピューティング」を研究するための「生きた実験室」を作ることだ。
『監視資本主義: 人類の未来を賭けた闘い』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら)この実験には3つの作業仮説があった。
第1に、この新たなデータシステムはまったく新しい知識の領域を生み出すだろう。
第2に、新たな知識とそれを使って生活を向上させる権利は、居住者に帰属する。
第3に、アウェア・ホームはデジタルのハイテク製品だが、古くからの慣例に従って、「家」を壁に囲まれた私的な聖域と見なす。
それから18年を経た2018年の時点で、世界の「スマートホーム」市場の価値は360億ドルと評価され、2023年までに1510億ドルに達すると予想されている。
●奪われたプライバシーところが一方で、「アウェア・ホーム」の作業仮説は風とともに去った。一体どこへ去ったのか。
アウェア・ホームは、他の多くの先進的なプロジェクトと同様に、より快適な生活を約束するデジタルの未来を想像させた。最も重要なことは、2000年に設計されたそのプロジェクトが当然のこととして、個人のプライバシー保護を前提にしていたことだ。
個人が自分の経験のデジタル化を選ぶのであれば、その人は、そうしたデータから得られた知識とその使い方に対して、独占的な権限を持ってしかるべきだ。
しかし現在、これらの個人情報や知識やアプリケーションに対する権限は、図々しいマーケットベンチャーに強奪された。それらの企業は、他者の経験とそこから得られる知識に対して、一方的な主張を繰り返している。
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