「ポータブルWi-Fi」レビュー
25/03/2022
こんにちは! refeiaです。
今回は、液タブメーカーの選択肢の夢を見ていこうと思います。
私がイラストレーターになった頃は、ちゃんと使えるペンタブレットや液晶ペンタブレットは、ワコムしか選択肢がありませんでした。
それが数年前から、GAOMON、HUION、UGEE Technology、XP-Pen Technology(以下、XP-Pen)などの海外メーカーのペンタブレットが台頭してきました。それらの製品は非常に安価でしたが、本気でタブレットを使うユーザーには選択肢になりづらかった時代がありました。ですが年を経るに従って完成度も増し、液晶ペンタブレットもラインアップに加わり、熟成が進んでいます。
その中でも勢いのあるメーカーの1つ、XP-Penが6月に発売した「Artist 24 Pro」は税込みで約10万円と、同社の製品としてはかなり高価格帯に入る製品です。上位機への野望が伺える仕様と価格です。
もう結論から言ってしまいますが、その名に恥じぬできになっています。ただし、妥協のない上位機まではあと数歩、といったところですね。それでは、その内容を詳しく見ていきましょう。
XP-Penの23.8型液晶タブレット「Artist 24 Pro」Artist 24 Proは、同社の液晶ペンタブレット「Artist」シリーズのうち、ワンランク上となる仕様のモデルに与えられる「Pro」付きのモデルです。ですが、少し前までは、過去の比較レビューでも述べたように、Pro付きモデルであっても妥協した箇所が複数あり、発色にも残念な部分が残っていました。
約3年前のモデルとなる「Artist Pro 16」。15.6型でフルHD(1920×1080ピクセル)表示に対応しますArtist 24 Proは、これまでのPro付きモデルとしても高価で、大型機としても一皮むけようとしている雰囲気を感じます。主な訴求点は以下の通りです。
そして、Amazonでの販売価格が9万9800円です。約10万円というと、ワコムのCintiq 22か、中古のCintiq Pro 16あたりが近い値段になりますね。
仕様上は、21.5型のCintiq 22とはサイズは近いのですが、解像度(1920×1080ピクセル)と色域と接続仕様で本製品が上回っています。また、中古と比べるべきかは迷いますが、15.6型のCintiq Pro 16に対してはサイズで大きく上回っていて、解像度(3840×2160ピクセル)で大幅に負けています。
カタログスペックはこれくらいにして、中身をもう少し明らかにしていきましょう。
まずは外観から見ていきます。すぐに目につくのは、左右に並ぶ大量のボタンとダイヤルですね。ボタンは合計20個、ダイヤルは2個あります。Cintiqシリーズが、本体のボタンをなくす向きに進んでいるのとは対照的です。
左右のどちらにもペンホルダーを付けられますペンは、Artistシリーズと同様の形状です。持ち心地は良いのですが、スリムなペンの選択肢がないのは残念です。
良いのかどうかは知りませんが、ワコムのペンを使っていた人はほとんど同じ感覚で持てますまた、タッチセンサー式の本体操作ボタンが本体上端にあります。タッチセンサー式の時点で正直使いやすいとは言えないですが、キーボードを上の方に設置するスタイルの人は、Cintiq Proのような誤タッチが発生しにくいので助かると思います。
タッチセンサー式の操作ボタンが、ボディー上部にあります。画面調節にも使うので、触っただけで反応されてしまうとメニュー操作などで神経質になってしまいますPCとの接続は、HDMIとUSB Type-Cの各端子を使います。Type-Cに映像出力できるPCがあれば、HDMIの接続は不要です。ただし、USB Power Delivery(USB PD)で電力を受け取ることはできないので、USB PD出力に対応したPCを持っていても、ACアダプターは必要です。
手前に2つあるUSBポートはUSBハブとして機能します。キーボードなどを接続できますまた、付属のスタンドで、非常に低い角度から高い角度まで、細かく調節することができます。このスタイルのスタンドは最近スタンダードになってきましたが、やはり便利ですね。私はCintiq 22用のスタンド単体と木材を買って、汎用(はんよう)の小型タブレット台を作って便利に使っています。
スタンドの足は、ローラー付きの豪華仕様です全体として、守るべきところは守り、そこに少しぜいたくな仕様を盛っていくバランス感覚が好印象です。ACアダプターが36W仕様なので、それくらいの電力で動けるならUSB PDを受け取れるようにしてくれてもよかったな、とは思います。
タブレットとしての完成度は高い