2021年 Cyber IQ 調査―機先を制するセキュリティへの転換

2021年 Cyber IQ 調査―機先を制するセキュリティへの転換

「ゼロトラスト・アーキテクチャ(ZTA)」はコロナ禍以前から存在する考え方ですが、昨今の働き方の変化に伴い、その必要性・緊急性がますます高まっています。しかし、ZTAはあくまでアーキテクチャの概念であり、特定のセキュリティソリューションを導入すれば実現できるという性質のものではないため、先進的な企業においても障壁や課題が多く、いまだ模索段階にあるというのが実情です。

2021年 Cyber IQ 調査―機先を制するセキュリティへの転換

Cyber IQ調査の結果では、モバイルデバイスの対策として最も導入率が高いのは依然としてVPNのような「境界防御型」の対策でした(回答者の55.3%がモバイルデバイスに対して行っているセキュリティ対策として「VPN」を選択しており、全選択のうち最大の割合)。

一方、現状および3年後の計画としてどのようなセキュリティ対策を講じているかについての回答からは、リスクベース認証や多要素認証、シングルサインオンといったZTA関連の対策は増加に向かうことが読み取れるため、企業が考え方の転換に向けた意欲を持っていることが推察されます。ただし、現実的にはZTAへの転換は短期間で達成することは難しく、関連製品市場の成熟や現有資産のマイグレーションなどを経て緩やかに進んでいくと考えられます。