「フライボードエア」 自ら開発した装置でドーバー海峡横断、最高速は200km/h、生身の人間が空を飛べる夢の装置 開発者のフランキー・ザパタ氏に聞く(水上バイク)ジェットスキー

「フライボードエア」 自ら開発した装置でドーバー海峡横断、最高速は200km/h、生身の人間が空を飛べる夢の装置 開発者のフランキー・ザパタ氏に聞く(水上バイク)ジェットスキー

ドーバー海峡34kmを、わずか22分で横断! 生身の人間が「時速180km」で飛ぶ!?

フライボードエア(写真上)で、水上バイクと競争。開発したのは、元水上バイクの世界チャンピオンであるフランキー・ザパタ氏。

10月18日に放映された「世界まる見え!テレビ特捜部(日本テレビ)」という番組特集で「世界初、時速180km!空飛ぶ板でドーバー海峡を横断」という特集がありました。この装置が、「フライボードエア(Flyboard Air)」といい、フランス人のフランキー・ザパタ(Franky Zapata)氏が発明したものです。彼は、水上バイクの元世界チャンピオンで、当編集部とは、20年近く前から親交があります。

世界的なブームとなった「フライボード」。足から出るジェット噴流を操って、空中でトリックを行います。

「フライボードエア」 自ら開発した装置でドーバー海峡横断、最高速は200km/h、生身の人間が空を飛べる夢の装置 開発者のフランキー・ザパタ氏に聞く(水上バイク)ジェットスキー

番組の中で、「2019年7月25日にドーバー海峡横断に挑戦した」と紹介されていました。実は、この日のチャレンジは失敗に終わっています。ガソリンを給油するため、海上に準備していた船の着陸に失敗して海に落ちたのです。翌日の記者会見で彼は、「諦めない」「成功するまで、何度でもやり続ける」と、不屈の精神を見せつけました。そのわずか10日後、8月4日に2度目の挑戦を行い、途中、洋上での給油を経て、見事、22分間でドーバー海峡を渡り切ったのです。

最初の発明は「フライボード」

「フライボードエア」小型飛行機と同じジェットエンジンを4基も搭載。ジェット噴射が足から出て、空を飛ぶ仕組みとなっています。

発明家として知られるフランキー・ザパタ氏が最初に手掛けたのは「フライボード」です。グーグルのコマーシャルにも使われ、世界的にヒットしたので、知っている人も多いでしょう。このアイデアを思い付いたのは、彼が水上バイクのトップライダーだったことも関係しています。以前、本誌のインタビューでも「ジェット(水上バイク)のレース中でも、『空を飛びたい』と、いつも考えていた」と言っていたこともあり、「水上バイクのジェット噴流を利用することを思い付く」のは、当然の結果でした。

ホースがなければ、もっと自由に空を飛べるのに

フランスとイギリスの間に広がるドーバー海峡(34キロ)を横断。フライボードエアで離陸直前のザパタ氏。ファーストチャレンジでは、給油艇の着陸に失敗し海に落ちて大変な目に…

「フライボード」で飛べるのは、「ホースの長さ」まで。しかし、彼は「自由に」空を飛びたかった。「ホースがなければ、もっと自由に空を飛べる」と思いました。そこで、開発に着手したのが、「フライボードエア」です。

最初のフライボードエアは、時速60km

「フライボードエア」は、足に履いて空を飛ぶ乗り物です。背中に背負ったバックパックから燃料を補給し、ジェット噴射により飛ぶ仕組みです。最初の「フライボードエア」は、2016年4月に発表。最初のフライボードエアは、4基のマイクロターボジェットエンジンを搭載(現在は5基)し、時速60km、重さ20kg、1000馬力でした。

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最終更新:ワールドジェットスポーツマガジン