ハウスドゥ、過去最高390.3億円の売...

ハウスドゥ、過去最高390.3億円の売...

ハウスドゥ 安藤正弘 社長

不動産ビジネスをワンストップ展開するハウスドゥ(東京都千代田区)は2021年6月期決算で売上高は前年比18.7%増の390億3700万円と過去最高を更新、営業利益は同36.7%増の25億8900万円だった。「不動産店舗のブランド化が進む」と話す安藤正弘社長に、好調の要因や今後の展望・予想を聞いた。

【聞き手/報道部長 福田善紀】

緊急事態宣言下でも来店が堅調

――業績好調の要因を教えてください。

2020年4月に発令された緊急事態宣言下でも、予想以上に来店される方が多く、自宅待機で時間に余裕のある方がゆっくり住宅を探せたこと、また低金利によって購入へのハードルが低かったこと、そして不動産業界は自粛対象の業種ではなかったことが挙げられます。最も好調だった売買事業については、仕入れを強化したことが要因でした。

ハウスドゥ、過去最高390.3億円の売...

――他にもフランチャイズ事業が好調でした。

現在は698店舗(9月末時点)ですが、2025年までに1000店舗を目標としています。今後、やりたい取り組みも多くあるため、スピーディに協力できそうな不動産業者のプロフェッショナルによる加盟を強化していきたいです。

――現在において、不動産業者があえてフランチャイズに加盟するメリットは何でしょうか。

今はDX(デジタルトランスフォーメーション)の時代で設備投資も必要ですし、個人で看板を掲げるよりフランチャイズに加盟する方がリーズナブルです。

それにこれからは、イチ不動産よりも、大型スーパーのように物件の供給が多いフランチャイズブランドに加盟するほうが、メリットもありますし合理的です。弊社のような会社がフランチャイズに成功すれば、他にもブランドは増えていくでしょうし、そうなればいずれは大手企業も参入すると思われます。アメリカはすでにこの流れができていますし、遅れて日本にも定着していくでしょう。10年かかると思いますが。

今年6月にフランチャイズ店舗数が700店舗を突破

リバースモーゲージ強化へ

――ユーザーから不動産を購入し賃貸し、将来的に買い戻しできる「ハウス・リースバック事業」も好調です。今後はどのような展開を考えていますか。

契約の増加を目指すのはもちろんですが、それより、自宅を担保にして生活型融資を受けられる「リバースモーゲージ制度」をメインにしていきたいです。今のハウス・リースバックのお客様の8割はそちらの制度を利用してほしいくらいです。

金融機関は高齢者への融資に保守的で「リバースモーゲージ」はなかなか普及せず、やむなくハウス・リースバックに流れているのが現状です。しかし、老後2000万円問題や年金問題から、老後資金を借りるためにリバースモーゲージはますます広がるでしょう。それにこの制度は、今増えている住宅ローンの困窮者にも活用すれば、月々の返済額を減らすこともできます。私たちとしても、何かあったときには金融機関への弁償対応も行う心づもりで、普及させたいと思っています。

VRなどテクノロジーを推進

――新型コロナウイルスによって生活や暮らしが大きく変わりましたが、テクノロジーやAIの導入についてはいかがですか。

弊社では今、「スマートDOホーム」を導入しています。これはスマートフォン一台で、設備や家電を操作できるもの。他にもオープンハウスの遠隔案内やリモートロックの導入もしていきたいですし、物件の内見にVRなどを導入すると、営業の負担も減りますね。さまざまな仕組みを作りたいです。

――来期の業績の予想幅が大きいですが、これはどういった理由からですか。

新型コロナウイルスの流行にも波があるからです。しかしこのまま低金利が維持されることもあり、不動産業界にとってはプラスですので、全体的には順調だと予想しています。この状態が1年は続くと思いますので、大きな懸念はありません。