Google Cloudの業界ソリューション幹部に聞く--「私たちは企業をより良くするためのツールセット」

Google Cloudの業界ソリューション幹部に聞く--「私たちは企業をより良くするためのツールセット」

 「われわれは、企業を支援するためのツールセットだ」

 これは、検索大手であるGoogleのクラウドコンピューティング事業を担うGoogle CloudのLori Mitchell-Keller氏が、小売や銀行、ヘルスケア、製造など、さまざまな業界の企業の仕事に携わっていく上での同社のアプローチを表現した言葉だ。

 Mitchell-Keller氏は米ZDNetとの最近のインタビューで、「世界のどの企業も、自社製品が関係する分野についての深い専門性を有している」と述べるとともに、「われわれは、こうした企業における人材活用を効率化し、差別化という面で支援できる」と述べた。

 Google Cloudで業界ソリューション担当グローバルリーダー兼バイスプレジデントを務めるMitchell-Keller氏は、1年半前に同社に加わった。同氏はそれまで、エンタープライズソフトウェア大手のSAPに13年間在籍し、グローバルな業界ソリューションの展開を率いていた。

 あらゆる業界市場において、インフラ事業はGoogle Cloudや、同社と競合するMicrosoft(「Microsoft Azure」)やAmazon(「Amazon Web Services:AWS)、そしてOracleやSAP、IBMといった大手エンタープライズテクノロジー企業が激しい戦いを繰り広げる主戦場となっている。

Google Cloudの業界ソリューション幹部に聞く--「私たちは企業をより良くするためのツールセット」

 しかしMitchell-Keller氏によると、Google Cloudは変化の真っただ中であり、純粋なインフラを推し進めるアプローチから、業界との協力による「より戦略的なプロセス」へとシフトしてきているという。

Google Cloudの業界ソリューション担当グローバルリーダー兼バイスプレジデントであるLori Mitchell-Keller氏は、「企業がボトルネックを洗い出せるようにする、すなわち物事の問題、特に荒天時に影響を受ける物事を洗い出せるようにする」ために、Googleはサプライチェーンのデジタルツインを開発していると述べるとともに、「われわれが取り組んでいる物事は顧客にとって今後、極めて重要になる」と述べた。提供:Google Cloud

 また、Mitchell-Keller氏は「画像検索や外観検査、コールセンターの人工知能(AI)といった製品は、一朝一夕に作り上げられるものではない」と述べ、Google Cloudが同氏の入社前から取り組んでいたテクノロジーについても言及した。

 同氏は「大手顧客との対話の中で見えてきた、顧客の抱える問題により注力するというのがわれわれにおける現在の変化だ」と述べ、Google Cloudは「ほぼすべての業界で、上位10社のうちの8社」を顧客に抱えていると説明した。

 こうした顧客ベースは、「顧客の抱えている問題という観点での(中略)物事がGoogleに流れ込んできている」ことを意味しているという。

 Google Cloudで業界ソリューショングループの製品管理担当シニアディレクターを務めるLisa O'Malley氏は、米ZDNetとMitchell-Keller氏のインタビューに加わり、「業界はそれぞれ異なっており、顧客もそれぞれ異なっており、コンテキストもそれぞれ異なっている」と述べた。

 O'Malley氏がGoogle Cloudに加わったのは1年少し前だ。同氏はそれまで、PayPalのエンタープライズ向けソリューション担当バイスプレジデントを務めていた。

 O'Malley氏は「われわれは、こうした企業が直面しているこれらの課題と、彼らの目の前に横たわっている機会を深掘りし、彼らが重視する成果について理解を深めた。単に自動化を進めたいわけではない」と述べた。