クラダシ、慶應義塾大学SFC研究所と「子ども食堂」支援DX化に向けた実証実験

クラダシ、慶應義塾大学SFC研究所と「子ども食堂」支援DX化に向けた実証実験

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 社会貢献型ショッピングサイト「KURADASHI」を運営するクラダシは2月14日、慶應義塾大学SFC研究所と共同で、企業が保有している災害発生時用の備蓄食品の情報のデータと、大阪府内の「子ども食堂」とをマッチングする実証実験を実施すると発表した。 実施期間は、2月14日から3月10日までを予定。対象となる団体は、住吉隣保事業推進協会、淀川区こどもの居場所連絡会、こどものへや「しま☆ルーム」、ながほりこども食堂、ChunChunTORICA うつぼこども食堂の5団体。 同実験は、慶應義塾大学SFC研究所が参画している、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「スマートバイオ産業・農業基盤技術」において、スマートフードチェーンプラットフォーム(SFP)の社会実装に向け、コンソーシアムメンバー外からの新規組織の参入を目的とした「新規ソリューションの検討」の募集に、同社が提案する「こども食堂への安定的食材提供の仕組み作りと実証」が採択されたことから実現した。 なお、スマートバイオ産業・農業基盤技術とは、内閣府総合科学技術・イノベーション会議が司令塔機能を発揮し、府省の枠や旧来の分野を超えたマネジメントにより、科学技術イノベーション実現のために創設した国家プロジェクト。 また、スマートフードチェーンプラットフォームとは、農産物を中心に、生産、加工、流通という供給側の視点に加え、消費側からの視点と資源循環や研究開発など食のサプライチェーンにおける「動脈」と「静脈」を循環化した連関モデル。農林水産物の生産・加工・流通・販売・輸出・消費までを一貫し、データ連携するものとなる。 必要としている子供やその両親および、地域の人に対し、無料もしくは、安価で食事を提供するコミュニティ子ども食堂への食品提供企業として、積水ハウス、三井住友銀行が参画。子ども食堂への配送担当企業として、東京・日本交通が連携する。 全国こども食堂支援センター・むすびえの調査によると、2021年12月時点で子ども食堂は全国に6000カ所以上あり、コロナ禍において食事提供に限らない、子供の居場所や多世代間交流の場の提供を担っているという。 加えて、子ども食堂が実施している地域づくり活動としては、「多世代交流を促す取り組み」に次いで、「食品ロス削減を進める取り組み」が44.7%と多い。一方で、「食材などの不足」を課題としており、食材や資金などの支援を求めていることが過去のアンケート調査でわかっている。 同社は、フードロス削減を目的に、社会貢献型ショッピングサイト「KURADASHI」を運営。売上の一部を「クラダシ基金」として、全国約140団体あるフードバンクへの支援事業に充てるなどの活動を行っている。 同社によると、コロナ禍でも多くの課題を抱えている子ども食堂への支援を考えていたが、全国の6000カ所以上もある子ども食堂へと、安定的に食材を提供する仕組みづくりが難しく、支援は十分にできていなかったという。 また、子ども食堂へと余剰食品を提供したいという企業からの相談も多数寄せられていた。 こうした背景から、SFPとのデータ連携を活用することにより、マッチングに係る課題を解決。余剰食品を提供したい企業と連携することで、子ども食堂への円滑かつ、迅速で安定的な食品提供を目的に実証実験を実施することになったという。 同実験では、地域のフードロス問題の解決や特産品のPRを目的に社会貢献型インターンシップ「クラダシチャレンジ」を共同で実施した積水ハウスと、フードロス削減とSDGs実現を目指して災害用備蓄品のシェアリングや従業員専用サイトを運営する三井住友銀行が参加。 積水ハウスと三井住友銀行が保有する、入れ替えのタイミングを迎える災害用備蓄品の食品情報をSFPへと登録してデータを連携することで、大阪府内の5つの子ども食堂と食品のマッチングを実施する。 マッチングした食品は、積水ハウスもしくは、三井住友銀行の大阪府周辺の保管先から、東京・日本交通のタクシーやトラックなどを活用して配送する。 SFPは、2023年4月以降の正式サービス開始を予定。サービス開始以降は、食品メーカーや流通事業者などから提供される余剰食品の情報と連携し、円滑かつ、迅速な提供が可能となるように取り組みを進めるという。

最終更新:CNET Japan

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