三菱地所、スマートホーム「HOMETACT」。機器メーカーやビックカメラと連携

三菱地所、スマートホーム「HOMETACT」。機器メーカーやビックカメラと連携

スマートホーム普及を阻むAPI連携という障壁

三菱地所 住宅業務企画部 主事 橘嘉宏氏は、スマートホームサービスはアメリカや中国では拡大しているが、日本では遅れているという。一方でユーザー側は物件選択時のポイントとしてスマートホームを評価する人は多く、また実際に利用している人の70%以上が「暮らしがよくなった」と回答しているアンケート結果を紹介した。

同時に、物件選択の回答数が2,988あるのに対し、利用者の回答は278しかないことが、日本でスマートホームが進んでいないことを象徴しているとも述べた。

三菱地所、スマートホーム「HOMETACT」。機器メーカーやビックカメラと連携

また、アメリカや中国で進んでいるのであれば、それらの国の企業が開発をすればよいという考え方もあるが、そこには国内メーカーとの連携で障壁があるという。

スマートホームではAPI連携が重要なポイントとなるが、日本のメーカーはAPIを公開しないケースがあるとし、そこに踏み込んでもらうためには国内企業がまとめる必要があると説明。そこで、デベロッパーとして旗を振り、メーカーとの連携の中でスマートホームを実現させた。

各メーカーには、独自のアプリを作ってもなかなか使われないことから、連携に対するニーズがあることをプロジェクトを通して確認できたという。また、2030年には現在の約10倍の市場規模に成長すると予測されているとし、三菱地所にとっても、単なる住宅提供者ではなく、スマートホームシステムを提供するビジネスへと拡大させるチャンスであると話した。

三菱地所 住宅業務企画部 主事 橘嘉宏氏

三菱地所 住宅業務企画部長 細谷惣一郎氏は、HOMETACTの名称の由来について、臨機応変・機転の効くという意味の「Tact」に「Home」を組み合わせていることを紹介。

HOMETACTでは、自社の経験や知見などを活かして、日本の住環境に導入しやすいスマートホームサービスを目指して開発したもので、ホームオートメーション機能だけではない、様々な生活サービスと連携させることで、新しい住宅のハブとしての基盤に成長させていきたいと述べた。

三菱地所 住宅業務企画部長 細谷惣一郎氏

三菱地所では10月より、30分から依頼可能な定期家事代行サービス「30min.(サーティーミニッツ)」を開始している。鍵の遠隔解錠やゲスト招待機能(今後実装予定)を使うことで、こういった「家ナカサービス」を不在時でも活用できるようになるとし、このような取り組みと連携していくことで、ホームオートメーションに留まらない様々な価値の提供を目指す。