「ポータブルWi-Fi」レビュー
25/03/2022
ロブ・マンフレッド・コミッショナー
現地時間12月1日深夜、MLBでは2016年に更新された労使協定が失効し、球団経営者によるロックアウトが始まった。3月31日に設定されている来季開幕を懸念する声もあるが、実際のところどうか、考察してみたい。
この協定は、経営者、選手双方の活動の全ての大元になる大変重要なものだ。今回の更新に関しては、年俸総額に対するペナルティや年俸調停制度の在り方などの経営や年俸に直結する問題から、プレーオフ出場枠の拡大やゲーム進行ルールの改定まで多岐にわたる。
ロックアウトとは、いわば経営者によるストライキだ。球場やトレーニング施設は球団により閉鎖され、選手は立ち入ることができない。その間、契約交渉も行われない。
ロックアウト自体は1990年以来で、労使の衝突により活動停止に陥るのは、1994~95年の球史に残る汚点であるストライキ以来だ。この「億万長者同士のいがみ合い」は、シーズンの残りと、2度の大戦時も、開催地(サンフランシスコ湾岸地区)が大地震の被害に襲われた1989年も行われたワールドシリーズを含むポストシーズン全てがキャンセルされるという、最悪の事態に至った(95年の開幕も遅れた)。
今回の活動停止は約四半世紀ぶりだが、1970年代以降のMLBの歴史はフィールド上の競技としての戦いだけでなく、フィールド外での労使の衝突、闘争の歴史でもあり、これまでに、ストライキが5度、ロックアウトが3度あった。
特に1966年から82年まで選手組合の専務理事を務めたマービン・ミラーの時代においては、彼の強烈なリーダーシップのもと、それまで経営側に良いようにあしらわれていた選手組合は、全米最強の労働組合と呼ばれるまでに変貌を遂げた。そして、その闘いの歴史の中では、小競り合い的な短期の活動停止だけではなく、シーズンが約2ケ月にわたり中断した1981年のストライキのような出来事もあった。
2020年もスプリングトレーニング期間中に、新型コロナウィルスの感染拡大によるトランプ大統領(当時)による非常事態宣言があり、開幕が7月下旬まで延期された。ただし、ここまで開幕が遅れたのは、パンデミックで試合ができない、ということよりも無観客開催を強いられる中で、サラリーの支払いを巡って労使が激しく対立したからだ。
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