「ポータブルWi-Fi」レビュー
25/03/2022
スマートハウスの達人が2021年にすばらしいと感じたガジェットを個人的に表彰
【木村ヒデノリのTech Magic #086】 今年も50本超のレビューを書いてきた。プライベートだけで試したものも含めれば100個を超えるプロダクトを使ってきた筆者がもっともおすすめするHOUSETECHガジェットを5つ厳選して紹介したい。いずれも自宅で使うだけでQOL(生活クオリティ)が劇的に向上するものばかりだ。新製品や先端のテクノロジーを追いかけているとどうしても実用性が置き去りになってしまう。一時便利だと思っても、毎日の生活の中で継続的に使うかどうかは別物だ。今回は先進性(生活を向上させる技術の高さ)と継続性(継続のしやすさ)から評価し、ランキングしていきたいと思う。●第5位:Hue Sync Box Hue Sync Box先進性:★★★★☆継続性:★★☆☆☆価格:3万2780円 ホームシアターよりも数倍、映画を見る体験を劇的に変えてくれるのはこのHue Sync Boxだろう。一言で言えば「映像と部屋の境界線をなくしてくれるガジェット」だ。画面の四辺と同じ色を1600m万色以上表現可能なHueで再現し、あたかも映画の中に飛び込んだような気分にさせてくれる。 驚くのはその色の忠実さと変化の速さ。アクション映画のようにシーンが瞬時に切り替わるような作品でも遅れることなく照明を変化させる。入力は4系統あり、4K、Dolby Vision、HDR10+といった最新フォーマットにも対応している。一人称視点でのゲームなどで使っても臨場感が増すだろう。 唯一のデメリットといえば導入に費用がかかる点。本体の価格もそうだが、他にHueブリッジやいくつかのHueライトを購入する必要があるため、導入費用は5万円を超えてくる。おいそれと導入できる価格ではないが、大画面との組み合わせは映画館以上の驚きを与えてくれる。大画面プロジェクターよりもこちらに投資した方が映画体験を変えてくれる製品だと断言できる。家で映画を見るのは週末など限定されてしまうため、継続性はやや低い評価となった。●第4位:Atmoph Window 2 | StarWars Atmoph Window2 | StarWars先進性:★★★☆☆継続性:★★★★★価格:5万8080円/1枚 圧倒的な綺麗さとサウンドで部屋を快適にしてくれるのはこちらのAtmoph Window2だ。筆者が購入したのはStarWarsエディションだが、現在「ジェダからのデススター」、「タトゥイーン」の二つの景色が配信されている。 他にもディズニーエディションなどがあり、ハイクオリティなCGの景色はファンにとって最高だが、それ以外の世界の景色も素晴らしい。また、画面中央と上部に搭載されたスピーカーにより、自然音があたかも窓の外から聴こえてくるような仕組みもすばらしい。この音響の素晴らしさが映像の良さを何十倍にも引き上げてくれているので、ただのモニターだと思っている人は一度実物を体験すると驚くだろう。 毎日スケジュールでカーテンが開くのと連動させているので継続性は満点。ただ風景は手動で選ばなければならないので先進性は星3つにとどまった。その季節に最適な風景など自動でプレイしてくれたり、自分のプレイリストなどが作れると最高だ。今後のアップデートに期待したい。●第3位:teplo teplo先進性:★★★★★継続性:★★★☆☆価格:2万9150円(送料込) このガジェットはまさに革命的だった。普段何気なく楽しんでいるお茶のレベルを数十倍にしてくれる。お茶のマイスターごとに感覚的に淹れられていたものを数値化し、そのときの自分の状態(脈拍や指の温度、気温や騒音レベルなど)も加味して適切なお茶を淹れてくれるというすぐれものだ。 にわかには信じがたいスペックだが、一度飲んでみるとその味の違いに衝撃を受ける。緑茶は高級茶葉特有の出汁感を感じることができ、烏龍茶は香りが広がる最高の状態に。これまで自分が好きで淹れていた茶葉のポテンシャルが、teploで淹れるだけでさらに覚醒すると考えるとワクワクしてしまう。 今後は自社ECで茶葉のほか、お茶を楽しむための厳選アイテムも販売していくということだ。値段を無視して買った方が良いとまで思った製品だった。●第2位:Botanium Botanium先進性:★★★☆☆継続性:★★★★★価格:1万8150円 Botaniumは簡単に室内で水耕栽培ができるスマートプランターだ。一度吸水しておけば、1~2週間は自動で水を与えて育ててくれる。専用の液体栄養剤を入れておけば成長がかなり早まる。 現在、バジルとスーパーの種から発芽させたアボカドを育てているが、どちらも手間はほとんどかかっていない。特に驚きなのはアボカド。通常の水耕栽培と比べ、成長が早い上に、ほとんど陽が当たらない場所に置いているにもかかわらず大きな葉を維持している。 teploと総合では同点なのだが、ハーブという傷みやすい食材が無限に収穫できる環境を構築できた点に軍配が上がった。構造はシンプルなので、価格の高さが若干気になってしまうが、デザイン性も含めて他に同等の製品がないため、筆者はレビュー後に2つ買い増している。年明けには松など盆栽系にもチャレンジしてみたい。●第1位:townew townew先進性:★★★★☆継続性:★★★★★価格:1万7980円 映えある第1位は意外と思われるかもしれないがこちらのスマートゴミ箱だ。以前から注目していたが、記事にも書いた通りリフィルに白色がラインナップされたことで購入を決意した。地域によって内袋NGの場所もあるかもしれないが、使うことができればこのゴミ箱はまさに革命的。「ゴミ袋を交換する」「ゴミ箱に合ったサイズのゴミ袋を探す」「ゴミ袋を結ぶ」という3つもの家事を自動化してくれるのだ。 ゴミ箱で困るのがサイズに合ったゴミ袋を見つけにくいという点。これが解決するだけでもかなりQOLが上がるのに、さらに2つも手間を省いてくれる。筆者はリビング用とトイレ用に1つずつ購入したが、どちらも大変活躍してくれている。 欲を言えばもっと大きなサイズがあれば良いが、現状でも価格を考えるとかなりコストパフォーマンスが高い。リフィルも4か月使用して1度も交換していないくらい長持ちするのでランニングコスト的にも申し分ない。2021年、実用性とテクノロジーを両立し、家事を軽減してくれるBEST HOUSETECHはこれ以外にない。今まで実現できていなかった特定の家事を完全に自動化してくれて、継続的に利用できる点がどの製品よりもすぐれていた。 実は2018年に自ら始めたBEST HOUSETECH OF THE YEAR。第1回は蔦屋家電で行ったものの、昨今の情勢もあって開催ができなくなっていた。今年はこういった形で優良なガジェットを紹介できて大変うれしく思う。2022年は一体どんなガジェットが登場するのか今から非常に楽しみだ。(ROSETTA・木村ヒデノリ)■Profile木村ヒデノリ ROSETTA株式会社CEO/Art Director、スマートホームbento(ベントー)ブランドディレクター、IoTエバンジェリスト。普段からさまざまな最新機器やガジェットを買っては仕事や生活の効率化・自動化を模索する生粋のライフハッカー。2018年には築50年の団地をホームハックして家事をほとんど自動化した未来団地「bento」をリリースして大きな反響を呼ぶ。普段は勤務する妻のかわりに、自動化した家で娘の育児と家事を担当するワーパパでもある。【新きむら家】https://www.youtube.com/rekimuras記事と連動した動画でより詳しい内容、動画でしかお伝えできない部分を紹介しています。(動画配信時期は記事掲載と前後する可能性があります)
最終更新:BCN