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Windows 11「非対応ハードウェア」に無理してWindows 11を導入してはいけないワケ
山市良のマイクロソフトEYE
Windows 11が正式リリースとなり、数年前に購入した自分のPCがWindows 11にアップグレードできないハードウェアであることを通知され、がくぜんとしたユーザーは少なくないはずです。購入時に知っていたら、少し待ったかもしれませんし、モデルやスペックの選択も違っていたかもしれません。
フリーライター 山市 良
フリーライター 山市 良
IT 専門誌、Web 媒体を中心に執筆活動を行っているテクニカルライター。システムインテグレーター、IT 専門誌の編集者、地方の中堅企業のシステム管理者を経て、2008年にフリーランスに。雑誌やWebメディアに多数の記事を寄稿するほか、ITベンダー数社の技術文書 (ホワイトペーパー) の制作やユーザー事例取材なども行う。2008年10月よりMicrosoft MVP - Cloud and Datacenter Management(旧カテゴリ:Hyper-V)を毎年受賞。岩手県花巻市在住。主な著書・訳書『インサイドWindows 第7版 上』(訳書、日経BP社、2018年)『Windows Sysinternals徹底解説 改定新版』(訳書、日経BP社、2017年)『Windows Server 2016テクノロジ入門 完全版』(日経BP社、2016年)『Windows Server 2012 R2テクノロジ入門』(日経BP社、2014年)『Windows Server 2012テクノロジ入門』(日経BP社、2012年)『Windows Server仮想化テクノロジ入門』(日経BP社、2011年)『Windows Server 2008 R2テクノロジ入門』(日経BP社、2009年)など
<目次>
- CPUだけが非対応という無念
- 非対応PCにWindows 11を導入する手段はあるにはあるけれど...
- “サポートされる”プロセッサに影響した既知の問題
- アフターMeltdown/Spectreプロセッサに対する、ウィズMeltdown/Spectre戦略
CPUだけが非対応という無念
ご存じの方も多いと思いますが、Windows 11はWindows 10とは異なり、仮想化対応のx64プロセッサ、特定のプロセッサモデル、4GB以上のメモリ、トラステットプラットフォームモジュール(TPM) 2.0といった、高いハードウェアの“必須”要件が設定されています。 Windows 11への無料アップグレードは、Windows 11対応ハードウェアを搭載するWindows 10デバイスに対して、Windows Updateを通じて2022年半ばにかけて段階的に行われますが、最近、Windows 10の「設定」アプリの「Windows Update」に表示されるようになった「このPCは現在、Windows 11のすべてのシステム要件を満たしていません」という通知に、がくぜんとしたユーザーも少なくないでしょう。 事前に「PC正常性チェック」アプリで知っていたユーザーもいるかもしれませんが、ほんの数年前に購入したばかりで、まだ新しいと思っていた自分のPCがアップグレードできないと知るのはつらいものです。「システム要件を満たしていません」の通知が今後も表示され続けるとしたら、それを目にするたびに沈んだ気持ちになってしまいます。 メモリやTPM要件はコストをかけて追加することでなんとかなるかもしれませんが、プロセッサはそうはいきません。(自作パワーユーザーを除き)事実上、PCを買い替えなければWindows 11を手に入れることはできません(画面1)。
非対応PCにWindows 11を導入する手段はあるにはあるけれど...
マイクロソフトはWindows 11の必須要件を満たしていないPCに、Windows 11を導入する方法を“正式に”公開しており、そのニュースをすでに目にした読者も多いと思います。しかし、この方法はユーザー責任でWindows 11にしてもよいというものでは決してありません。おそらく、対応ハードウェアのない状況下で、Windows 11の機能(それも、ハードウェアの必須要件に依存しない機能)を評価したり、テストしたりすることを目的としたものです。 以下のページに説明されている免責事項をよく確認してください。上記の抜け道を利用してWindows 11にアップグレードしようとした場合、続行するためには免責事項に対するあなた自身の“承諾”が求められます(画面2)。最小システム要件を満たしていないデバイスに Windows 11 をインストールする【次ページ】“サポートされる”プロセッサに影響した既知の問題
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